ABテストを成功させる4つの手順

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ABテストはマーケティング業界で古くからよく使われる手法だが、アメリカのオバマ大統領がWebの選挙キャンペーンで用いたあたりからWeb界隈でも認知度が増してきた。
ただ、ABテストの具体的なステップについてあまり記事が無いのでここに紹介する。

ステップは大きく分けて下記の4つだ。

  • 仮説立案(計画)
  • 事前準備
  • テスト実行
  • 完了/検証

1、仮説立案(計画)

ABテストは仮説が9割と言っても過言ではない。
仮説の立て方でそのテストが成功するか、はたまた失敗に終わるかが決まってしまう。
それぐらい重要な工程だ。
詳しく説明しよう。

まずは、仮説をたてる前にテストを実施するページを選ぶことから始める。
効果や影響力が最も大きな場所はどこかを探るのだ。
具体的には以下の3つの視点で見ると良い。

  • コンバージョンに近いページ
  • 目標がはっきりしているページ
  • アクセス数が多いページ

特にコンバージョンに近いページは成果に直結するため、最重要ポイントとなる。
まずはあなたのサイトのコンバージョン率をアクセス解析で確認してみよう。
一般的にはコンバージョン率は1%が目安と言われている。(もちろん業種や目的で大きく変わるのが前提)
もしこの目安を下回っていれば、まずはコンバージョンに近いページから手をつけてみよう。

同じ理由で、目標がはっきりしているページも重要だ。
わざわざ目標を立てているということは、つまりそのサイトのKPI(重要業績評価指標)である可能性が高い。
このページを改善することは、成果を上げることにつながるだろう。

アクセス数が多いページは、影響力が大きいという点で重要だ。
トップページや一覧ページなどがこれに当たる。
これらのページは、サイト内でハブ(中継点)の役割を果すため、うまく機能していないと大きな機会損失になる。
せっかく上質なコンテンツがあったとしても、そもそもユーザに見つけてもらえないリスクが高まるからだ。
これらがうまく機能しているかどうかを確認するには、アクセス解析で対象ページの直帰率や離脱率を確認すると良い。
トップページや一覧ページで、直帰率が60%、離脱率が40%を超えているようだと要注意だ。
情報が分かりづらかったり、迷いやすい構造になっていないかチェックし、必要に応じてA/Bテストで問題の切り分けを行おう。

テストを行うページが決まったら次は仮説を立てる。

仮説とは具体的にどういうものか。
例えば、あなたのサイトにオレンジ色の「資料請求」ボタンがあったとする。
このクリック率を上げたいと思ったとき、あなたは仮説を立てるはずだ。
「以前読んだブログの記事で、緑色のボタンのクリック率が高いと書かれていたので、うちのサイトにも当てはまるのでは無いか」
このように、何かしらの考えを元に仮の説を立てる、というのが仮説だ。

仮説の出し方は2つのアプローチがある。

1つは、自分視点からのアプローチ。
自分で管理しているサイトは、当然自分が一番詳しい。その経験や知識をもって仮説を立てるアプローチだ。
もしチームで管理していれば、グループディスカッションが強力だ。
スピーディに仮説が立つだろう。

ただし、このアプローチにはデメリットがある。
それは、あまりにも見慣れて馴染みのあるサイトなので、ありきたりな発想しか出てこないことがある、という点だ。

そういった場合は、2つ目のアプローチを試してみよう。

2つ目は、ユーザ視点からのアプローチ。

これは、自分たち以外の第三者に意見を出してもらい、それを元に仮説を立てるアプローチだ。
他部署や外部の人間、顧客など、管理者以外からヒアリングしてヒントを得る。
コストが見合えばユーザビリティテストも有効だ。
自分たちが思いもよらない仮説が立つかもしれない。
自分視点からのアプローチに煮詰まった場合はこの方法で打開しよう。

デメリットとしては、時間がかかる、コストが膨らむ場合がある、という点だ。

2、事前準備

次のステップは事前準備だ。
先ほど立てた仮説を実証するため、テストパターンを作成する。

ここでやるべきことは2つある。

  1. ツールの選定
  2. テストパターンの作成

まずはツールの選定だ。
世の中には便利なABテスト用のツールがいくつもある。

そのうち筆者のおすすめは以下の2つだ。

Optimizely

海外ではよく知られているツールだ。
ABテストに必要なパターン作成を、管理画面上だけで完結できるすぐれたABテストツールだ。
そのため、テストを始めるのに技術者を必要とせず、マーケティング担当者だけでスピーディに開始することが大きな利点だ。
高度な機能も多く実装している。

もし興味があれば以下の記事を参考にしていただきたい。
Optimizelyを始めるための基本5ステップ

Banana Ad(新規募集停止中)

比較的最近リリースされた国産のABテストツールだ。
このツールの利点は何といってもそのシンプルさにある。
管理画面も国産ならではの分かりやすいものだ。
このツールでテストできることは画像とテキストのみだが、もしそれでテストが足りるようであれば、下手に高性能のツールを使うよりもよほど素早くテストできる。

ツールは他にいくつもあるが、最初はこの2つが使えれば充分だろう。
これらで試していくうちに足りない機能は不満な点が出てきたときに、他のツールを試せばよい。

ツールの選定が終わったら、次はパターン作成だ。

パターンには大きく分けて2つのタイプがある。

  • 1つ目は、画像やテキストが同じ位置で差し替わるパターン。
  • 2つ目は、位置を変えるパターン。

注意したいのは、2つ目のパターンだ。
サイトの構築方法や構造よっては、技術上の問題でむやみに位置を変えてはいけない箇所がある。
そのような箇所でもOptimizelyなどのツールでは変更できてしまうので、技術的な知識の浅い人は気づかないだろう。
もし、変えてはいけない箇所でテストしてしまった場合、いざそれを本採用しようとしたときに、実は実現不可能だったという状況に陥ってしまう。
そのようなことを防ぐため、以下の場所は注意しよう。

  • ナビゲーション部分
  • 自動生成とおもわれる部分(同じようなレイアウトのブロックが複数ある、など)
  • フォーム部分

CMSなどのシステムが導入されているサイトは特に注意が必要だ。

3、テスト実行

いよいよテストを実行する。

まずはテストに合わせてテスト期間の設定やパターンの表示割合などをセッティングしよう。

ここで注意したいポイントはテストのタイミングだ。
テストの時期によっては、同じテストでも異なる結果を出すことがある。
たとえば連休中や特別な需要がある時期など。
サイトの種類やテストの内容によっては結果に影響を及ぼしてしまうので、このような時期にテストがかからないよう注意しよう。

また、関係者が不用意にテストページへアクセスすることも避けよう。
テストによってはそれほど多くないコンバージョン数から優劣を判断する場合もある。
関係者のアクセスが混ざるとその判断を誤ってしまうためだ。

そしてついにテスト開始だ。

開始直後はパターンごとに大きく差が開くはずだ。しかし徐々に安定してくるので、定期的にチェックしておこう。

開始後しばらくすると、うまくいけばそれぞれのパターンに差が出た状態で数字が安定するはずだ。
ほとんどのツールは、統計学的に差がつくと管理画面などで判断できるようになっている。

4、完了/検証

テストが無事に完了したら、最後はテスト結果の検証を行う。

最初の仮説が正しかったかどうか、間違っていたとすれば何が原因だったか、という検証を行う。
そしてこの検証結果は「学び」となり、次のABテストに活かすことができる。

くれぐれも、テスト結果が良かったというだけで満足しないようにしよう。

ABテストは1つのテスト結果以上に多くの学びや知見を得ることができる。

まとめ

最初に書いた通り、ABテストは仮説が9割だ。
深堀りされた良い仮説を立ててテストを行えば、その結果がどうあれ、次のつながる「学び」は大きくなる。
それを得ることこそがABテストの一番の目的だ。

この点に留意しながら、ぜひABテストにチャレンジしていただきたい。

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